副鼻腔MRI、鼻腔腫瘤の病理組織像を別に示す。診断はどれか。
a 悪性黒色腫
b 扁平上皮癌
c 悪性リンパ腫
d 内反性乳頭種
e 嗅神経芽細胞腫
正答)e
MRIでは左鼻腔内にT2 low~isoの信号域を認める。
病理では、小型円形細胞がびまん性・胞巣状に浸潤増殖する像とHomer Wright(HW)型ロゼットを認めることから、嗅神経芽細胞腫と考えられる。
嗅神経芽細胞腫の病理所見は過去問にも出題されているため、落としてはいけない問題の1つ。
嗅神経芽細胞腫は、過去問にもたびたび出題されていたが、2022年5月に出た頭頸部癌診療ガイドライン2022年版では、嗅神経芽細胞腫の項目が初めて記載された。
そのため、今後のますますの出題が予想されていたが、やはり出題してきた、という感じ。
「頭頸部癌診療ガイドライン2022年版を理解するための問題集」や「2022年多選択肢式予想問題集」でも解説しているので、過去問も含めて勉強した人は、一発で分かったはず。
嗅神経芽細胞腫の病理
a 小型円形細胞がびまん性・胞巣状に浸潤増殖
b 胞巣内には,微細線維構造物を中心に核が花冠状に配列するHomer Wright(HW)型ロゼット形成=偽ロゼット
Flexner-Wintersteiner型ロゼット=真のロゼット
2019年記述に出題された嗅神経芽細胞腫の病理
小型円形細胞がびまん性・胞巣状に浸潤増殖とHomer Wright(HW)型ロゼット形成。
その他の選択肢の病理も「2022年多選択肢式予想問題集」や過去問で出されたことのあるものばかり。
c 悪性リンパ腫については、鼻では鼻性 NK/T 細胞リンパ腫が多い。
悪性黒色腫、内反性乳頭種とともに、頭頸部癌編の講義動画ですべて詳しく解説しているので、利用してほしい。
ここで、嗅神経芽細胞腫の分類について、復習!
本症例で追加問題を解いてみよう。
追加問題1)modified Kadish分類として、正しいものを1つ選べ。
a stageA
b stageB
c stageC
d stageD
e stageE
追加問題2)Dulguerov and Calcaterra分類として、正しいものを1つ選べ。
a T1
b T2
c T3
d T4
答え)1.b 2.a
腫瘍は、鼻腔、篩骨洞、前頭洞に進展しているが、篩板までの進展はこのスライスでは明らかではない。
よってstageB、T1
嗅神経芽細胞腫や鼻副鼻腔の希少癌の勉強には「頭頸部癌編」の講義動画がお勧めです!